20代の頃から、いつかは挑戦してみたいと思っていた梅干し。
三十路に入って1年半、女三十やはり梅ぐらい漬けられなくては!と思いは強迫観念に近くなり、今年ついに決行いたしました。
何ごとも形から入るのが私のやり方。
漬ける容器は、常滑焼の茶色いかめと迷った上で、野田琺瑯の白い保存容器に決定。
重石はポリエチレンのものがたくさんあるし安いけれど、ここはやっぱり陶器でしょうと、常滑焼の押しぶた兼用の2.2㎏のものと、1kgの重石を購入。
…一度漬けて懲りるかもしれないのに、何もこんなに気合い入れて揃えなくてもと自分でも心の端っこで思っているんだけど、こうしてあれこれ選んで買い揃えていく過程も楽しいんだからしょうがない。
そして主役の梅は、紀州 田舎の小さな八百屋さんで、南高梅3kgを19日着で予約。
ここでは3kgが最少量だったのだけど、それではちょっと多いかなと思ったので、1kgは梅シロップに回し、残りの2kgを梅干しにしようと計画。
6月19日土曜日のお昼前、クール便で梅が到着。
めりめりと箱を開けると、ふわっと桃に似た香りが。
なんとも器量よしな梅たちに感動。
若干青みが残っていたので、1日追熟させ、20日に作業することにしました。
<梅シロップ編>
まずは保存瓶を買いに近くのスーパーへ。
並んでいるのを見ていたのでここなら確実と思っていたのに、すでに消えていた…。
普通、梅シロップや梅酒は青梅で漬けるもの。
青梅のピークはもう過ぎているので、一緒に撤去されてしまったらしい。
しょうがないので、家にある小さめの保存瓶を使うことにした。
確実に1kgは入らないので、500gに変更。
材料は、梅、梅と同量の砂糖(今回はきび砂糖を使用)、お酢少し。
洗ってなり口を取り、水気をふいた梅と砂糖を交互に消毒した瓶に入れていく。
うっ。梅は何とか入ったものの、砂糖が入りきらない。
数秒の思案の末、しばらく寝かせてかさが減った頃に残りの砂糖と酢を足すということで自分を納得させた。
<梅干し編>
作り方は、尊敬する辰巳芳子の方法をたどることに決めていた。
ただし、買った梅の説明書きに「新鮮だからあく抜きしなくても大丈夫」と書いてあったため、一晩水にさらす手順は省いた。
…単に忘れていたのだけど。
塩の量は梅の15%。今回は梅2.5kgなので塩は375g。
まず、かめに熱湯をかけ回し、そのあと焼酎をしみこませたキッチンペーパーで拭いて消毒。
梅を洗い、なり口をとり、水気をふき、焼酎でころがし洗いし、塩をまぶしつけてかめの中へ…という手順なんだけど、梅2.5kg全部を一度に洗ったりできるような容器もスペースもうちにはない。
というわけで、床に置いた箱から煮物用の大鉢に梅を入るだけ入れる→鉢の中で洗う→なり口をとってざるに上げる→パスタ皿に焼酎を入れておき梅にまぶす→塩を入れたボウルに3個くらいずつ梅を入れて塩をまぶしつけ、かめに入れる……という作業をちまちまと7回ほど繰り返し、すべての梅をかめに納めた。
辰巳芳子の本に、梅の香りに包まれて作業をする、とあったけれど、実際にやってみるまではぴんと来なかった。
田舎に育って、近くに梅の木もたくさんあったのに、生の梅に匂いがあると思ったことがなかった。
今回完熟梅を扱ってみて、初めて梅の実の香りを感じることができた。
部屋に一晩置いているだけでもほんのり香りが漂う感じだったけれど、実際に手で触れ、水で洗うともっと香りが立つ。
桃をもう少しすっきりさせたような、きれいな匂い。
その匂いのせいで気持ちよく作業できるのだけど、こまごました手順を繰り返すのは多少骨が折れる。
毎年何十kgも漬ける人はどうしてるんだろう…。
でも、梅のなり口を竹串で取るのは好き。
串の先に近い方を持って、なり口をくりっとするとぽろっと取れる。
なり口取るバイトがあったら1週間くらいやってもいい。
…すべての梅をかめに入れ、残りの塩を上からふり、押しぶた兼重石を載せて、内ぶたと外ぶたをして、終了。
うまくいけば、4、5日後に白梅酢が上がるはず。
たのしみたのしみ。
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